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話題の中枢から逸れるが長谷川豊氏のブログに関して

 
 
 

長谷川豊氏のブログ記事を発端とした問題は反論に反論を重ね今もぼんやりと燃えている。

彼のブログコメント欄を見ると長谷川氏に賛同する声も多く見られるし、あくまで自称だが医療関係者からの賛同コメントもあるようだ。やり方や表現に疑問を呈しつつも議論が巻き起こる事を歓迎する声も少なくない。

長谷川氏も

私は、炎上ってとても素晴らしいものだと思っています。

だって拡散できるのだから。

私はネットに全然詳しくないし、拡散とかよく分からないし。

でも、一人でも多くの人に知ってほしいのです。一人でも多くの方々に考えてほしいのです。

その為には…これはもう何度も何度も同じことを書いてきているのだけれど…「ハセガワという極論を言うバカ」を叩いてスカッとしながらでも全然いいのです。

 

「ハセガワ」をバカにしながら、それでもみんなで少しでも知って考えることが大事なんです。 それくらい、今の日本の経済状況や社会状況って悪くなっているんです。

人工透析の現場と現実 : 長谷川豊 公式ブログ 『本気論 本音論』

と述べている。問題発言や過激な表現で議論を誘発させる事はあるだろうが、炎上した結果を「いや、これをきっかけに考えてほしかったのでむしろ良かった、自分は叩かれるが皆のためになるから大丈夫」という姿勢は、自己犠牲によって世界を救済しようとする物語の主人公きどりのようで聞いていて恥ずかしくなる。自らの失態や意図せぬ炎上を正当化し、自己の精神的な安定をはかるためにしているようにしか見えないので控えたほうが良いと個人的には思う。

 

 

波紋は過激な発言でなくても起こせるのだから。

 

長谷川氏の自論の補強としての障がい者

彼の言うように結果的に今回の事が拡散され多くの人に知られた。元々人工透析患者や社会保障に関して疑問を持つ人や異議のある人もいるだろうし、まったく意識すらせず今回のことで初めて知り考えた人もいる。確かに議論や有益な情報が人々に共有される事は歓迎されるべきだが、それが事実と異なった場合であればどうだろうか?

 

 

彼のブログではこう書かれている

 

人工透析患者は「身体障がい者1級」に該当するようになっています。

え?身体障がい者

そうです。人工透析患者は「1級の身体障がい者」に認定されます。で、そうなるとどうなるか

 

・映画館の利用が常に半額(者1人同伴も半額)

・公共交通機関の利用料の半額(者1人同伴も半額)

・タクシーの初乗運賃の無料チケットが貰える(1枚1枚にに利用期間の設定有り)

・高速道路の利用料金の半額

 

など、様々なサービスが受けられます。もちろん、ディズニーでもほとんど並ぶ必要がありません。だって障がい者ですから。横入りし放題です。

 

で、「1級」なので「障がい者年金」がもらえます。毎月かなりの額ですが、それらは地方自治体によって差があります。さらに、彼らは「医療費」をすべて無料で受けられます。だって「1級障がい者」ですから。

自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!! : 長谷川豊 公式ブログ 『本気論 本音論』

 

話題の中心である人工透析患者(彼の言う自業自得の透析患者)を批判するために、関連する障がい者に関する言及をしている。こういった情報を並べれば多くの共感を得られる打算があったのだろう。

すでにnukalumixさんによって他者ブログからのコピペが指摘された上に、障害者手帳の等級と障害年金の等級に関する混同や身体障害者1級だからといって障害年金が支給されるというわけではない事が指摘されている。 詳しくはnukalumixさんのブログを参照して頂きたい。

nukalumix.hateblo.jp

 

長谷川氏は自論を補強するために障がい者に関する話題を持ち込んだが、それにより人工透析患者のみならず障がい者に対する風当たりも強くしてしまっている。彼のブログを読んで障がい者年金に関する間違った知識を持った人もいるだろう。 「ディズニーランドの列にほとんど並ぶ必要がなく横入りし放題、なぜなら障がい者だから」と言っているがこれは誤読を誘導している。

 

「並ばなくて良い」事の身体的配慮、「横入り自由」という時間的優遇の誤解または混同

まず、ほとんど並ばなくて良いのは事実である。それは身体や精神的に長時間並ぶことが困難だからディズニー側の配慮がされている。

そして横入りし放題というのは間違い。し放題などというルールはない。

 

これはどういう事かと言うと、ゲストアシスタンスカードというサービスがディズニーにはあり、障がいのあるゲストや介助者は長時間並ぶことが困難なため別場所で待機し、時間がきたらアトラクションを利用するというものである。

彼の言う「横入りし放題」は時間がきたのでアトラクションを利用するために障がい者が待機場所から戻ってきた事を指しているのだろう。少なくとも障がい者だから並ばず好きな時間に横入りしてアトラクションを利用できるわけではない。

長谷川氏の場合、巷で言われる「並んでいない障がい者が割り込んできた」といった言説をそのまま書いているのか、巧みに事実と事実と異なる情報を併記し、いざとなればどちらにもとれるようにし本心では障がい者優遇説への反感を煽ろうと記述したのかは分からないが、彼の発言を見ていると前者ではないかと推察する。

 

「並ばずに横入りし放題」という文言を見れば多くの人は「障がい者は待たずに時間をかけずアトラクションで遊べる」と誤読するのは火を見るより明らか。公式でも指摘されているように時間的な優遇はない事を強調しておきたい。

 

また、人工透析者=障がい者としての記述であるから、それ以外は記述する必要はないと思うかもしれないが、このゲストアシスタンスカードは決して障がい者限定の優遇措置ではない。これではまるで障がい者のみ優遇されていると誤解しかねない。

公式サイトによれば

 

ゲストアシスタンスカードは、疾病、負傷などにより体の機能が低下し(一時的な場合を含む)何らかのお手伝いを必要とされる方の、パークでの負担を軽減するためのサポートツールです。

カードには利用される方のお名前とグループ人数、その方に合わせたお手伝いの内容(ベビーカーのままご案内/ご希望の席にご案内/スピーカーの近くにご案内/待ち時間経過後にご案内)が記載されます

【公式】サポートツール|バリアフリー|東京ディズニーリゾート

 となっており、利用対象者は

 

身体障害者手帳精神障害者保健福祉手帳療育手帳所持者および疾病、負傷などにより体の機能が低下している方(高齢者、妊婦を含む)

【公式】サポートツール|バリアフリー|東京ディズニーリゾート

となっている(同伴者含む)。負傷による一時的な身体の機能低下の場合も利用できるため、決して障がい者限定ではない。

 

果たして優遇なのか?

もしかしたら、並ばずに自由にアトラクションで遊べるわけじゃなくても、他のゲストは並んでいるのに別場所で休んで時間がきたら列に戻れるのはやはり優遇されている、と反論があるかもしれないが公式サイトにはこうも記述されている。

 

ご利用いただくまでの待ち時間は、列に並んでいる時間とみなします。その間に他の対象施設をご利用いただくことはできません。《中略》(お手伝いの内容やアトラクションの特性により、待ち時間は列に並ぶ方よりも長くなる場合があります)。

【公式】サポートツール|バリアフリー|東京ディズニーリゾート

 

上記のように実際に並ぶよりも待ち時間が長くなる場合があると公式で発表されている。ディズニーランドで余計な待ち時間が発生する可能性というのは意外と大きな痛手だ。元々長い待ち時間の上さらに持ち時間が削られるわけであるから、人によっては致命的なマイナス点になるだろう。また、ゲストアシスタンスカードを利用するゲストは単に並ぶのが困難なだけでなく、アトラクション間の移動による時間ロスや疲労が不自由のないゲストと比べ大きい。

 

確かに健康な人でも長時間、特に夏場などは立ったまま待つことは非常に辛い。別場所で待っている人を見ると、ずるいと感じてしまう気持ちもわからないでもない。だが、割り込んで並んでいる人に実質的な不利益を与えているわけでもなく、上記したようなマイナス面も抱えながらルールに則り公式のサポートを利用している人を、長谷川氏のような言及の仕方で「だって障がい者ですから」という皮肉めいた姿勢で見る事を私はできない。

それでも、「そんなに大変ならディズニーくるな」といった反論や、「それでも優遇だ」、「障がい者を利用して複数の健康な同伴者が優遇されている」といった意見に対して私は何も言えないし多分言っても意味がないだろう。私は障がい者や何らかの問題を抱えているから、何もかも優遇され優しくされて当然とは決して思わないし、その結果弱者とされる人が強者と化し横暴に振舞うことは批判されるべきだと思っている。全てを寛容にする必要はない、だが、ディズニーランドで並ぶのが困難な人が他の場所で待つことぐらい許せない世界ほど寂しいものはない。

 

その他のサポートサービス

ディズニーには他のサポートサービスもあるのでリンク先の公式サイトを参照してほしい。

www.tokyodisneyresort.jp

視覚に障がいのあるゲストへ向けた触地図ガイドブックやスケールモデル、音声ガイドシステム、点字メニュー、聴覚に障がいのあるゲストには字幕表示システム。他にもストーリーペーパー、インフォメーションブックやCDなどが用意されているので是非利用してほしい。

 

最後に

話題の中心から逸れ、多くの人からどうでも良い事で重箱の隅をつつくなと思われるかもしれない。

だが、こういった話題の一部に誤解を招くことが含まれ、例え一つ一つは些細な事でもそれが肥大し当たり前のように人々の意識に浸透してしまう事を回避したかった。

 

長谷川氏はこう述べている事を最後に引用させてもらう。

取材者の秘匿義務もあるし、出来るだけ若い方々にも読みやすいように内容をすっ飛ばして書き連ねるところは多々ありますが、私はこういうブログを書くとき、ウソや適当なことは絶対に書きません。 

人工透析の現場と現実 : 長谷川豊 公式ブログ 『本気論 本音論』